こんにちは!私は中国に住んで約4年になります。
今は深センで働いていますが、以前は1年半ほど東莞で働いており、今でも毎週末は東莞に帰っています。
そんな東莞について以前記事を書いたところ、「東莞 治安」のワードでこのブログに訪問いただくことが増えました。
それだけ治安面について、心配される方が多いということは一つの発見でした。(私も実際に住む前はかなり心配でした…)
▲シェアサイクルがとても人気です。でも人気のある場所に自転車が偏るため、このように定期的に移動させているようです。
目次
はじめに:東莞の概要
▲長安鎮の政府施設
中国の南、広東(カントン)省に位置する工業都市です。
深センと広州という大都市の中間に有り、香港も車で2時間ほどで便利です。
立地を活かし、珠江デルタ地域の一部として、多くの工場が立ち並ぶ工業都市となっています。
最先端の電子部品から衣料品まで、様々な工場が営業しています。
工場都市であるため、先進的な深センや、歴史ある広州に比べて、ちょっと特徴の少ない芋っぽい感じがあります。(すいません…)
人口は1,046万人(百度2020年)
面積はWikipediaによると、佐賀県と同程度らしいです。
東莞の呼び方は日本語では「とうかん」らしいですが、日常的には「ドンガン」や「トンガン」と呼んでます。
中国語の発音では「ドングゥアン」が近いです。
日本からのアクセス
東京から飛行機で4時間程度のフライトです。香港空港 or 広州白雲空港を利用する人が多いです。
- 香港空港→東莞市内:車で3時間程度(深セン湾口岸の混み具合では、計4時間以上)
- 広州白雲空港→東莞市内:車で1.5時間程度
- 深セン宝安空港→東莞市内:車で1時間程度
香港空港で降りる場合、香港から深セン湾口岸に向かいます。イミグレを2回通過しないといけないので、少々面倒です。利便性なら広州の空港の方が近くて便利です。
深セン空港はLCCが無く値段が高く、便数も少ないです。ただ東莞に一番近いので、便の時間が合えば便利な空港です。
香港空港、深セン空港にはそれぞれメリット、デメリットがありますので、広州空港が一番利用する方が多いと思います。
東莞の生活・雰囲気
気温と天候(東莞は南国)
夏が長く冬が短いです。冬も最低気温は3〜5℃くらいで、身を切られるほどの寒さは感じません。
大体12月頃から本格的に寒くなり、春節(旧正月)の2月頭ごろが最も寒いです。4月ごろから、気温が30℃超える日が増えてきます。
いっそのこと常夏なら、冬服も準備しなくて良いんですが…。
夏は40℃近くまで行くのではと思うほど暑いのですが、40℃になると工場などは停止するという決まり(?)があるらしく、私は40℃ という発表は聞いたことがありません。
南国らしく、甘くて美味しいフルーツがたくさん売っています。
夏の夕方には猛烈なスコールが降りますので、傘が欠かせません。Wechatの東莞天気予報のアカウントをフォローしておくと、スコールの1時間ほど前に通知してくれるので便利です。
逆に冬は乾季で、何ヶ月も1滴も雨がふらない日が続きますので、雨の心配はいりません。
交通はタクシーかバス
地下鉄が一本しか無いため、基本的にはタクシーかバスが多いです。
DiDiというスマホアプリで配車できるサービスが超便利なので、みんな活用しています。
バスも路線バスが大量に存在するので、バスでもどこでも行けます。
地下鉄は延線工事と新規路線も複数工事が進んでいるので、もっと便利になりそうです。
物価は高くない
ローカルの中華料理なら、20元(約320円)あればお腹いっぱい食べられます。
家賃も深センは東京並みの場所が多いですが、東莞はぐっと下がりますので、広い部屋に住めます。
物価が安い分、駐在で東莞にきたらかなり貯金できると思います。
▲こんなに大量のスイカが10元(約160円)で!
言葉と食事
広東省 なので広東語話者が多いですが、省外から出稼ぎに来ている人も多いので、普通語もふつーに通じます。心配いりません。
食事は広東料理の店が多いですが、私はよくサイゼリヤとか日本料理とか、タイ料理とか好きでよく行ってます。湖南料理の店も美味しくて人気があります。
スターバックスもそこら中にあります。
また、広東料理は辛くないので、安心してください。
日本人が結構多い
東莞には日本人も多く住んでいるため、日本料理屋が充実しています。
また、今の中国では日本料理を好む人も多く、店も中国人の客で賑わっています。
中国料理に味が馴染めない人も、日本料理屋が沢山あるので問題ないと思います。
ちなみに韓国人も多く住んでおり、韓国料理店も多いです。
街で外国人とわかると韓国人か?と聞かれやすいです。
住む人々が優しい
私は特に、外国人だからといって差別や嫌がらせにあったことがありません。
中国語がほとんど話せない頃も、店や街で初対面でも、私の話を一生懸命聞き取ろうと頑張ってくれる人ばかりでした。
タクシーに乗っても運転手から気軽に話しかけられたりします。
反日的な人にも、私は出会ったことがありません。(実は根では反日な人も居たかもしれませんが、態度で示されたことはありません)
東莞の治安
最初に結論を述べると、かなり安全で治安は悪くありません。
もちろん、人気(ひとけ)のまったくない路地裏や、工場すらもない極端な田舎など、外国人が近づかないほうがいい場所を除きます。(もっとも、基本的にそんな場所に用事もないと思いますが…)
市バスも危険だと聞きましたが、全く問題ありません。
(運転が荒すぎて、車内でケガしないかそっちの意味のほうが心配です…)
スリやひったくりも今ではほとんど聞きません。私自身もこれまで、危険な思いをしたことはありません。
ただあくまで外国なので、日本レベルの治安の良さとは別です。
治安が良いとはいえ、油断しないように注意が必要です。
これはほんの10年前(それこそ5年前と比べても)治安レベルがとても良くなっているそうです。
20年前から東莞に居る日本人の知り合いの話だと、以前は全く安心して暮らせなかったそうです。
携帯を盗るために後をつけられたり、財布を盗られそうになったりなど、カバンは身体の前に背負うのが基本だったとか。時には銃声も聞こえたそうです。(爆竹では? ^^;)
▲南城区の広く綺麗な公園から、建設中の東莞で最も高いビルを望む
東莞の治安は急激な速度で良くなっています。
これは中国が全体的に、治安や衛生環境が改善し、民度が高くなっていることに比例しているんだと思います。
私の奥さんも、深センから東莞に初めて来る前(10年ほど前)は、東莞は少し危険で汚い場所だから、あまり近づきたくないイメージがあったようです。
おそらく10年前の情報が、東莞出張経験者の記憶の中や、ネット上に残っていて、今でも治安が悪いイメージが拭いきれないのだと思います。
東莞の観光・娯楽
工業都市であるため、観光地は少ないです。
唯一自慢できる観光地は、清とイギリスが戦争した「アヘン戦争」の史跡があります。
東莞の「虎門」でイギリス軍を迎え撃ったそうで、今でも砲台が残されて、観光地になっています。
娯楽は健全なマッサージ(かなり本格的な技術)の店が多かったり、巨大なショッピングモールも多いです。
ゴルフ場も数箇所あり、休日にはゴルフに行く人も多いです。
私は経験ありませんが、東莞の日系企業同士でのゴルフによる交流もあるそうです。
映画館も充実しており、3D IMAXに対応した映画館もあります。
▲2021年の旧正月、中国で大ヒットした映画「你好 李焕英」。過去の自分の母親に会う心温まるストーリーです。
主演の二人は中国で有名な芸人らしく、コミカルな場面も多く楽しめました。
東莞の「夜の」娯楽 風俗業
これは東莞を語る上では外せないテーマです。
東莞は以前、中国内でも超有名な風俗業の激戦区で、「性都」と呼ばれていました。サウナや刺激的なマッサージ、ほかにKTBというエ○カラオケ等が乱立し、街の一大産業の一つとなっていました。(※誤解なきよう、KTBとは基本的に健全なカラオケ店の事です)
工場が多く男性労働者が国中から集まっていたため、同時に性産業も発展したそうです。
▲これは健全なマッサージ屋の店内です…。低温の岩盤浴的な。
ですが2014年頃に一気に情勢が変わります。一斉に摘発され、東莞の性サービス業は木っ端微塵に壊滅しました。これによる失業者も半端なかったそうですが、とりあえず東莞は健全な街に生まれ変わることができました。
東莞で出張者のアテンドを担当する方は、今でも久々に来た人から、その手の店に行きたいとオーダーされると困ると聞きます。もう今は無いんです、すみません。と断っているそうです。
聞いた話では、東莞はエ○のイメージが拭いきれないので、分解して隣町の深センと広州に吸収し、東莞という名前を抹消する話もあったとか。
最後に
以上、東莞がどのような場所か、少しでも理解いただけたでしょうか。
おいしい食事もありますし、きれいな公園も沢山あります。
なにより暮らしている人々は優しい人が多く、みんな自由に暮らしています。
ある程度安心して暮らせる街だと思います。
ぜひ、出張や駐在が決まった方や、そのご家族、または旅行で来る方の参考になれば幸いです。
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